■ハガネの切れ味とサビにくさを両立
このクロマックス鋼の包丁は、ハガネの切れ味を残しつつ、サビにくいのが特徴。
クロマックスとは、鋼材にクロム(Cr)を5%ほど含ませた鋼材です。
鋼はクロムを入れることでサビにくくなりますが、同時に硬度が出にくくなるため切れ味が落ちます。
(普通はクロムを10.5〜13%以上含むと“ステンレス”と言います。)
このクロマックス鋼は、切れ味に影響をおよぼすギリギリのところまでクロムを含ませた鋼材です。
ハガネの切れ味を残しつつ、クロムによるサビにくい特徴を兼ね備えています。
(水に濡れたまま、汚れがついたままにしておくとサビが発生しますので、ご注意下さい。)
■家庭用?本職用?
三徳包丁とは牛刀(肉用)と菜切り包丁(野菜用)の特徴を兼ねた万能包丁ですので、
どちらかと言えばご家庭用に適しています。
■その他特徴
【衛生的で丈夫なツバ付き】
柄と刃の間にツバがあるので、食材の汁などが入りにくく衛生的です。
また、水気が入らない分、柄が傷みにくい構造となっており、長くお使いいただけます。
■材質、サイズ
刃材:クロマックス鋼(両刃)
ハンドル:茶合板
刃渡り:170mm
全長:290mm
刃幅:45mm
刃厚:1.75mm
重さ:150g
製造元:高村刃物製作所
銘:銘はありません。
※『高村作』という刻印は打たれていません。
※詳細は商品画像をご覧下さい。
■店長(市川)のコメント
お客様で、
「私はハガネの包丁でなければダメ、ステンレスは切れないから嫌い」
とおっしゃる方がいます。
このクロマックス鋼はそんな方におススメしたい包丁です。
この包丁はハガネの切れ味をしっかりと味わえます。
また、切れ味に影響を与えないレベルで(サビにくくする)クロムを含んでいるので、
サビに悩まされることも少ないです。
(錆びないということではありません。濡れた(もしくは汚れた)状態で置いておくと錆びます。ご注意を)
ただ、高村刃物製ですので、刃の厚みは非常に薄く仕上げられています。
つまり、切れ味を追求しているため、刃が分厚い包丁に比べて強度が弱く、
乱暴に扱うと刃こぼれしやすいです。
取扱いには注意が必要です。
■高村刃物製作所について
「よい材料、よい鍛造と熱処理、よい研ぎ」という信条を掲げ、
初代・勇が終戦後、高村刃物を立ち上げました。
当時は菜切り包丁と農業用刃物が主な製品でしたが、
時代のうつり変わりとともに包丁(家庭用と本職用)の製造が主流になりました。
どこよりも早く粉末ハイス鋼・粉末ステンレスハイス鋼といった新素材の包丁の製造を始め、
特色のある良い包丁を造るために全行程を一貫生産しています。
当時はまだ珍しかった、ステンレス包丁の開発に着手したのは50年以上も前のこと。
以後、硬度が高く長切れする、いまだかつてないステンレス包丁を数多く発表してきました。
さらに近年、より一層力を入れているのが本職用、つまりプロに向けた包丁です。
プロの料理人からの貴重な意見をもとに作られた包丁は、
日本以外にドイツ・スウェーデン・オーストラリアなど世界10カ国以上で販売され、世界の有名シェフにも愛用されています。
これまで宣伝といったものはほとんどしてきませんでしたが、その切れ味の評判は瞬く間に広がり、
高村刃物の包丁を指名してご購入するお客様も少なくありません。
文頭に挙げた高村刃物の信条、
これらがなければ、決してよい包丁にはなり得ません。
機械に頼り切ることなく、お客様の目には触れないところにまで全身全霊で取り組む。
それがニッポンにおける「ものづくり」の精神であり、
高村刃物製作所の誇りです。