ヤスキ銀三鋼を火づくり鍛造できる鍛冶屋は、その鋼材の扱いづらさから、堺では山塚さんただ一人。
硬く伸びにくい銀三鋼を長年鍛造し続けた手のひらは、ゴツゴツとしていて力強い。
■堺刃物とは
他産地のような一貫生産制(1社もしくは1人の職人が全ての工程を行う)とは異なり、
一つの道に秀でた鍛冶職人、研ぎ職人、柄付け職人が結集して生み出す包丁です。
この分業制によって、本職の板前(料理人)が使うレベルの高い包丁を作ることができます。
全国の本職用包丁(プロ用高級品)において、堺刃物は90%以上のシェアを占めていると言われています。
料理人の多くが堺刃物を支持しているのは、堺刃物に対する信頼の証しです。
■商品紹介
サビに強く切れ味の鋭い銀三鋼とステンレス軟鉄を合わせた柳刃包丁(刺身包丁)です。
大阪堺の鍛冶屋が鍛えた逸品です。
木柄にはウォルナットの木を使い、落ち着きのある上品な風貌です。
切れ味が良く、サビにくく、永切れする高級包丁を是非ご堪能下さい。
【鍛冶屋の話】
この包丁は伝統工芸士の山塚尚剛さんが火づくり、鍛造したものです。
銀三(安来銀紙三号)という鋼(はがね)は、火づくり・鍛造できる鍛冶屋が日本では少なく、
山塚さん曰く、『堺では自分だけ、国内では土佐にあると聞いたが、うちが一番やと思う』とのこと。
仰るとおり、国内で出回っている銀三といえばほぼ山塚さんが手がけたもの。
『銀三は非常に硬くて、鍛造しても伸びにくく、鍛冶屋にとっては扱いづらい素材だが、使っていただく料理人にとったら安来(ヤスキ)の鋼で切れ味は上等、錆びにくいので喜ばれる』とも仰っていました。
最近では海外でも『YAMATSUKA/ヤマツカ』という名が知れ渡っており、
海外から山塚さんの包丁を求める料理人が増えてきています。
【当店のこだわり】
木柄(ハンドル)は、ウォルナット八角(はちかく)を挿げしました。やや丸みのある八角柄で握りやすく、手に馴染みます。
■柳刃(刺身庖丁)
刺身を引くための包丁です。刺身を切る際に刃を往復すると素材の切断面が傷み、光沢がなくなることから一方向にのみ引き切ることができるように刃渡りが長くなっています。
切り口の繊維を傷付けない口当たりは、刺身包丁でしか出すことができません。
■サイズ
全長:全長:380mm
刃渡り:240mm(マチから)/230mm(アゴから)
刃幅:刃幅:32mm
刃厚:3.2mm(もっとも峰の厚い部分:マチ付近の幅です。)
重量:約144g
※全て手作りで製造している為、刃渡り・重量は若干異なります。
刃材:銀三(日立安来鋼 銀紙3号)、片刃
柄材:ウォルナット八角、口輪は黒合板
鍛冶屋:山塚尚剛
刃付屋:野村祥太郎